なぜお花屋さん?③

ピンクのユリをメインにしたアレンジメント。空間を華やかに彩ります
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急展開

お花の仕事は仕方なく諦めました。その時で結婚10年たっていましたが、子供もおらず本当に今後どうしたらいいのか悩みが増すばかり。やはり子供は欲しいとそればかり考え、出来ないことのストレスで精神的に落ち込みました。ちょうどその頃、貸していた自宅の賃貸契約が終わり、10年近くぶりに我が家にまた住み始めることができました。ほとんど住まずに貸していたため、他人の家のようで不思議な感覚でしたが、やっと帰れた安住の地の居心地はよく、ホッとしたのを覚えています。そして、それが功を奏したのか、ほどなくして妊娠しました。今思えばやっと我が家に戻り落ち着いて暮らせるというタイミングだったのかもしれません。このタイミングという言葉は私の人生で大きな意味のある言葉になりました。

その後のこと

夢にまで見た妊娠、そして娘を出産。高齢でしたが意外に周りはそんな人が多く、働くママではなかった為、ずいぶんのんびりと子育てをすることができたと思います。けれども、その間には母との別れ、また再び海外赴任でジャカルタへ、大好きだった義理の姉との別れ、義母の介護に同居と目まぐるしい変化がありました。そんな日々の中ですっかりお花のことは遠い昔のことになってしまいました。家の中にお花はたまにあるだけ、テラスのガーデニングも土しか入ってないプランターが並んでいます。しかし、なぜかその時はお花に目がむきませんでした。それより別の何かが私には向くのでは?と人に誘われると出かけていって話を聞いたり、習ってみたりしましたが、どれもしっくりきません。というより、私は何かに出会う度に自信を無くしていきました。何をしてもやれる気がしない、ちょっとかじった程度のことを人に偉そうに教える度胸も才能もないと悶々とするばかり。そして何者にもなれない自分に引け目を感じていました。いろいろなところで大勢の生き生きと働く女性を見ると眩しくて、最初は楽しくその輪に入れてもやがては恥ずかしくなって足が遠のく、そんな感じでした。それが転機を迎えたのは去年のことです。久しぶりにシンガポールで一緒にお花を習っていた仲間が集まることになりました。その中で友人2名が再びお花を習い始めと言い出しました。シンガポールで習っていたお教室は東京の四谷に本校があり、そこで月に2回習っていると言いました。その話を聞いていると、忘れかけていたお花への興味が沸々とまた湧き出てきました。友人と同じ四谷の本校で習うことも考えましたが、現実的に自宅近くで探そうと、ネットで検索するとすぐに素敵なまるでパリの街角にあるような青いドアのお花屋さんが目にとまりました。それがラフルールとの運命の出会いでした。ラフルールでの体験レッスンで先生から、お花はなぜ習うのですか?と聞かれ、以前に習っていたので、と当たり障りのない答えをした私に先生はうちはこんなコースがありますよ、とラフルール独自のプロコースの話をして下くださいました。それは何かを探していた私のハートを鷲掴みにするこれ以上ない魅力的な話。今なら店舗を持たずにネットでお花屋さんを出来る、まさに考えたこともないお話でした。よくYouTubeなどで見たり聞いたりしていた風の時代のビジネスの在り方がそこにあったのです。特に何も得意がない私でも、好きで長くやっていたお花なら仕事にできるのでは?もう夫に相談などする間もなく、私はやりたいです、と言っていました。一度は諦めたチャンスが再びめぐってきた、今からでも遅くない、いや、今しかない。そして、それから10か月。とうとうJiji &Lily をオープンするまでこぎつけました。私はとてもいいタイミングでラフルールの扉を開けられたから、お店を持つ決心を出来たのかもしれません。けれどそれは誰にでもあることだと思います。人生はいつも2択の連続です。やろうとしてもタイミングで阻まれることも多々あります。けれど、やってみようとしなくてはタイミングもきません。私はとりあえず試すのが好きです。夫には無駄なことばかりしているとよく言われます。けれど、無駄なことの中に何かの種が隠されていて、それを経験しないと芽はでない、そう思っています。すでに人生の折り返し地点はとうに過ぎていますが、今からでも遅くないと走り始めました。そして走り続けることの方が何倍も大変なのは知っています。でもやっぱりお花なんだなとそこに意味を見出しました。

最後に

長々と私のお話をさせていただきました。私の小さなお店Jiji&Lilyはまだやっと芽がでて双葉が開こうとしているぐらいです。これが花が咲くのにはどのぐらいかかるのでしょうか?想像もつきません。けれど私はただ、楽しくやっていこうと思っています。仕事だから楽しいことだけじゃない、むしろ苦労が多いのはわかっています。現在このホームページ作りだけでも四苦八苦しています。それでも楽しい、そう思っていればきっとそれがお花に伝わり、人を笑顔にできると信じています。お店のモットーは「正しいことより楽しいことを」ちょっとお花屋さんぽくないですが、楽しいことに人は惹かれます。誰かのために考えるお花が楽しくて仕方ない、そんな今の気持ちをわすれずに成長していきたい。どうぞよろしくお願い致します。

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この記事を書いた人

名古屋市出身。幼少期からお使いを頼まれたついでにお花屋さんを覗いては小さな鉢植えを購入して母親にあきれられていました。

小学校のクラブ活動では造花クラブに所属しますますお花好きに。

社会人になりフラワーアレンジメント教室に通ったり、生け花を習ったり、自然とお花が横にある生活をしていました。

結婚後、横浜でアレンジメント教室に再び通い講師資格を取ろうと考えていた矢先に夫に海外転勤の辞令が下り一緒に外国に。

アメリカ、タイ、シンガポールと8年の駐在生活を経験。

シンガポールで素敵なフラワーアレンジメント講師の先生や仲間との出会いがあり、5年間アレンジメントを習い、講師資格を取得し帰国。その後出産と子育てで中断いたしましたが、子供の手が離れてきたことをきっかけにまたお花を習いたいという思いから、ラフルールでレッスンをはじめました。

久しぶりに始めたお花のある生活はとても楽しく、この先の人生を考えたときにずっと夢として持ち続けてきたお花に関わる仕事をする決意をしました。

お花は癒しの天才、そのお花を通して人と関わり、笑顔の花を咲かせていきたいと思います。

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